症例紹介ブログBlog

40年前の手術後再発、皮膚潰瘍となった下肢静脈瘤治療例

60代の男性

若いころから下肢静脈瘤があり20代で手術を受けたことがある方です。

その後も立ち仕事で、きっちりと包帯や弾性ストッキングによる圧迫をしていましたが、4か月前から皮膚潰瘍となってしまいました。

皮膚が炎症のため変色し色素沈着と呼ばれる状態です。

これが続き炎症がひどくなると皮膚が破れる皮膚潰瘍となってしまっています。

エコー検査では、手術後の状態で大腿部(ふともも)は治療がまだ効いていましたが、ふくらはぎの部分で静脈瘤が再発していました。皮膚潰瘍の下には静脈瘤が隠れていますが表面上はあまり見えません。

手術では下肢静脈瘤血管内焼灼術を日帰りで行いました。

傷をつけると、そこからまた皮膚潰瘍が悪化する恐れがありましたのでまずはカテーテルでおこなうだけの治療を行い、その後は硬化療法(静脈瘤の中に注射で硬化剤という薬を注入する治療)を4回追加しました。

手術後、だんだんと皮膚潰瘍は小さくなり傷はなおっています。

手術後は、しばらくすると再発することがあります。残っていた静脈がだんだんと悪くなってきてしまうからで、だいたい10%ぐらいの方が術後再発するといわれています。

再発したときは、複雑で治療が難しくなる時もあるので早めに受診していただいた方が対処がしやすいです。

下肢静脈瘤血管内焼灼術

下肢静脈瘤の原因となっている、静脈にカテーテルを挿入し高周波やレーザーを用いて熱を加え静脈を細くして閉塞させる治療です。その結果、静脈が膨らまなくなるため血管が目立たなくなります。

術後の注意点と合併症

手術後は一時的に内出血やつっぱり感が出ることがあります。

皮膚の感覚が部分的にしびれたりすることがあり、1%の人でその症状が残ってしまうことがあります。

深部静脈血栓症が起き入院が必要となる方が0.1%あります。

またどうしても術後5年以上たつと再発してくる方が10%あります。

手術にかかる費用

健康保険が適用されます。

3割負担のかたであれば自己負担分が、片脚で46000円、両脚なら93000円

当院では、平成30年6月1日に施行された医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(医療広告ガイドライン)に則り、術前又は術後の写真を掲載する場合は、通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項や、治療等の主なリスク、副作用等に関する事項等の詳細な説明を併記し、患者さんに誤認を与えないよう努めています。

なお、当院のプライバシーポリシーに反しない限り、掲載した写真は全て院内にて参照頂けます。ご希望の患者様は医師にお申し出ください。

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