両足の下肢静脈瘤治療例
70代の女性の方で、約5年前から両方の足に下肢静脈瘤がでてきてひどくなってきました。
右足はふくらはぎの後ろ側に、左足は膝の内側に目立ちます。
血管エコー検査をしたところ、右足は小伏在(ふくざい)静脈が、左足は大伏在(ふくざい)静脈の弁機能不全、逆流がみられました。
下肢静脈瘤でボコボコとなる場合は、このどちらかの血管が原因のことがほとんどです。
両方の足を同じ日に手術を行うこととなりました。
下肢静脈瘤血管内焼灼(しょうしゃく)術で、カテーテルを血管の中に挿入し熱を発して内側から静脈に熱処理を施すものです。さらに目立つ静脈瘤は部分切除も併用しました。
手術時間42分で、手術後1時間で帰宅していただいております。
手術後6週間後には静脈瘤も目立たなくなり状態が軽快しています。
両方の足が静脈瘤になっている方も多いですが、あまりにひどい方を除き同じ日に手術を行うことができます。
下肢静脈瘤血管内焼灼術
下肢静脈瘤の原因となっている、静脈にカテーテルを挿入し高周波やレーザーを用いて熱を加え静脈を細くして閉塞させる治療です。その結果、静脈が膨らまなくなるため血管が目立たなくなります。
術後の注意点と合併症
手術後は一時的に内出血やつっぱり感が出ることがあります。
皮膚の感覚が部分的にしびれたりすることがあり、1%の人でその症状が残ってしまうことがあります。
深部静脈血栓症が起き入院が必要となる方が0.1%あります。
またどうしても術後5年以上たつと再発してくる方が10%あります。
手術にかかる費用
健康保険が適用されます。
3割負担のかたであれば自己負担分が、片脚で46000円、両脚なら93000円