右ふくらはぎの下肢静脈瘤、血栓性静脈炎を伴った症例
70歳代の女性の方で、以前から右下肢静脈瘤があったそうですが、ある日から静脈瘤が固く赤くなり、痛みが出てきたとのことです。
静脈瘤の中に血栓ができる血栓性静脈炎という症状です。痛みがでてから1週間ぐらいで痛みはおさまりますが、診察の時もかたいしこりのようになっていました。
下肢静脈瘤でおきる合併症の一つで、今後も繰り返す可能性がありますので手術を検討するべき状態です。
下肢静脈瘤血管焼灼術+瘤切除(3か所)を行いました。手術は20分で終了し術後1時間で帰宅していただくことができました。
手術後約2か月経過した写真です。静脈瘤、血栓共に改善しています。
下肢静脈瘤血管内焼灼術
下肢静脈瘤の原因となっている、静脈にカテーテルを挿入し高周波やレーザーを用いて熱を加え静脈を細くして閉塞させる治療です。その結果、静脈が膨らまなくなるため血管が目立たなくなります。
術後の注意点と合併症
手術後は一時的に内出血やつっぱり感が出ることがあります。
皮膚の感覚が部分的にしびれたりすることがあり、1%の人でその症状が残ってしまうことがあります。
深部静脈血栓症が起き入院が必要となる方が0.1%あります。
またどうしても術後5年以上たつと再発してくる方が10%あります。
手術にかかる費用
健康保険が適用されます。
3割負担のかたであれば自己負担分が、片脚で46000円、両脚なら93000円